遠まわりは手短に

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無題

【ストーリーズ 事件の涙 「そこにあなたがいない 京都アニメーション放火事件」(7.13)】

京都アニメーション放火殺人事件の被害者遺族にまつわる、インタビューを交えたドキュメンタリー。


・事件で亡くなられた津田幸恵さんのお父さんへの密着シーンについて、津田さんの葬儀、遺体の身元確認のため警察へ向かう様子、大晦日に娘の家族と過ごす様子まで映していたので、正直そこまで密着して映してやらなくてもいいだろ、と思いましたが、上記の記事を読んだら、お父さんから幸恵さんを知って欲しいという意思もあっての密着だったようにも思えました。

・遺体の損傷が激しく、警察からは対面することを勧められなかったと、津田幸恵さん・武本康弘さんの親御さんは語る。
・津田さんのお父さんは葬儀の日に幸恵さんと対面したが、あまりにも無残なその姿を見た記憶が、遺品を見るたびに思い出すようになってしまったのだと…。そこから遺品を処分するまでに至ってしまう。しかし、だからと言ってもちろん忘れられるはずはなく。
・津田さんのお父さんとは反対に、顔を見ることなく葬儀を終えた武本さんの親御さん。だがそれが心の整理をつけることができなかったと。津田さんのお父さんの話を聞いて、対面して、辛くても受け入れるべきだったのでは、そうしてこそ本当に別れができたのではないかとも思ったと語る武本さんのお母さん…。辛すぎる。
f:id:bagpipe_ps:20200714005446j:plain・石田奈央美さん、木上益治さんについても、ナレーションは無しで、茅原実里/みちしるべをBGMに紹介。
・取り壊され、更地になった京都アニメーション第1スタジオの映像も映る。全焼してしまった建物を残すことはないんだろうけど、数々の作品がここで生まれ、それらにたくさんの人が情熱を込めていた場所であることを考えると、ちょっとあまりにも悲しい映像だったな…。

・観終わって、とにかくやるせなさが残った。でもこれが現実なんだよな、と。観ているだけの一視聴者でこんな風に思うわけだから、遺族の方々は、もう言葉では言い表せないほどのやるせなさを感じているんだろうな…。
・昨年、事件に関して実名報道のあり方がネット上を中心に激しく議論されました。遺族の許諾も取れていない状態で全員の氏名を公表するのは有り得ないことだとは思いますしそこに憤りも感じますが、亡くなられた方についてもっと知ってもらいたいと語る遺族の方もいらっしゃり、そういった方の事であれば、さらに積極的に報道してもいいのではと思う部分があります。もちろん、同様に遺族の方への配慮を忘れずにいて欲しいですが。

・今回の放送とは直接関係が薄い話になるけど、事件の前々日の近隣住民とのやり取りであったり、事件当日の言動であったり、思いを言葉にして伝えるのではなく放火殺人という凶行に出た事だったりと、容疑者がまともに思考できる状態ではなかったと思う。そんな状況に追い込んでしまったのは一体何なのか、それすらもよくわからないけど、容疑者がこういう行為に至らない道もきっとあったはずで。それを思うとまたやるせない気持ちでいっぱいになりますね。
・事件にまつわるいろんな報道を、積極的に調べて見聞きしていますが、それで心が癒えたり安らぐ事も特になく、京都アニメーションという会社はあの時から時が止まってしまったような、そんな感覚です。もちろん、製作中の作品を完成させるために、社員の方々が血の滲むような努力をしている最中ですので、そんな感覚でいることは不謹慎な話かもしれませんが、いかんせん産み出された作品を一つ観るためにはかなりの期間を置かなければならないので、どうしてもそんなことを思ってしまいます。
・9月18日の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の新作劇場版を観たら、京都アニメーションがまた一つ歩みを進めたということが確認できそうなので、とても楽しみです。事件関係なく内容自体もね!

改めて、被害に遭われた方々に、心よりご冥福をお祈り致します。