遠まわりは手短に

bagpipe_psのサブブログ。テレビ・ラジオで観聴きした番組のメモを載せています。

僕が霜降り明星のオールナイトニッポンに死ぬまでついて行こうと思った瞬間について

小学校3年生の秋頃、肺炎で入院した。

17年も前のことなので、症状が具体的にどんな感じだったか覚えてないし、1週間くらいであっさり退院したので特別辛かったという思い出もない。ただ、症状に効くのであろう白い煙みたいなのを吸入器でいっぱい吸わされたのは面倒臭かったなってのは覚えてるし、病院食がまずくて食えないとワガママを言って親にモスバーガーを買ってきてもらったり、モスバーガーを食べてるところを主治医がカーテンを開いてガッツリ見られてしまったり、とそういう他愛もないことだけはボンヤリと覚えている。



そんな入院生活の中で、ひときわハッキリしている記憶がある。それは、病院のテレビで「笑っていいとも!」を観ていた時の話だ。中居くんが出ていたのでおそらく火曜日だと思われるが、当時レギュラーの絵心を試すコーナーがあった。タモリさんとキングコング梶原さんが進行で、他のレギュラーがお題に沿って絵を描くというシンプルなもの。のちにえんとつ町のプペルを描き上げるキングコング西野さんは当時から絵が上手く、レギュラーの中でエース的存在だったように思う。それに対して中居くんは絵が壊滅的に下手で、レギュラーから「画伯」と呼ばれてイジられていた。

夏休みは毎日いいともを観ていたのでそのコーナーの存在は知っていたのだが、僕が入院中に見た火曜日のその回は特別編として、中居画伯の歴代作品を振り返ろう…という趣向で過去のイラストをもう一度引っ張り出す企画をやっていた。その中でピックアップされたものの一つに、犬だか猫だか忘れたが、何かしらの動物がお題になった絵があった。番組スタッフが小学生にアンケートを取り、何に見えるかを発表するくだりがあったのだが、その動物の絵が「ゲベみたい」だと小学生が言っていたという意見が紹介されていた。その意見を聞いて僕は「ほんとだ!ゲベみたい!」と思ったのだった。

「ゲベ」とは何かというと、当時から現在に至るまでコロコロコミックで連載されているギャグ漫画「でんぢゃらすじーさん」の登場人物…もとい登場生命体、である。「世の中に潜む危険を教える」という目的のもと、「じーさん」が「孫」に様々な事柄をレクチャーしていく中でメチャクチャな展開に巻き込まれる…という内容の漫画で、おそらく当時コロコロ読者だった男子小学生の支持率は100%と言っても過言ではないくらい人気の作品だった。そのギャグ要素はもちろんターゲット層の小学生向けにチューニングされてはいるものの、作者である曽山一寿先生がだいぶエッジを効かせているので、大人になった今読んでも多分思い出補正なしに楽しく読めると思う。そんな作品に、じーさんが飼っているペットとして「ゲベ」が登場する。ほっそりした猫のような見た目で基本的に何も喋らないが、時に日本語を喋ったり筋肉隆々の体格になったり耳からパンチを放ったりと、作者の都合に合わせてその性質が変化させられる豪快なキャラである。

中居くんの描いた動物が本当にゲベに似ていたので、僕はテレビの前でテンションが上がったのだが、いいともに出ていた大人たちがコロコロ作品を履修しているはずもなく、「ゲベってなんだよ!」と、小学生が意味不明な回答をした…という処理の仕方でその場が終わってしまったのである。しょうがないとは思いつつ、面白さが伝わっていないことに残念な気持ちになった。



そんなこともすっかり忘れ、小学生だった僕も大人になった。二十歳を過ぎてから深夜ラジオの魅力を知り、徐々にハマり始めた。パーソナリティが仕事でありながら人間性を濃いめに滲ませていくフリートークや、どうやってこんなの思いついたんだと驚いてしまうくらい面白いネタコーナーに夢中になった。ただ、コロコロコミック以来漫画に触れてこなかったため、ネタコーナーでたまに読まれる漫画絡みのネタにいまいちついていけず、なんとなく「この漫画でそういうくだりがあってそれをこうイジる面白さということか…」と、自分がわからないネタを無理矢理納得させて聞き過ごしていたことがよくあった。というか今もある。

そんな中、2019年に始まった「霜降り明星オールナイトニッポン0」のとてつもない面白さに、ぐいぐい引き込まれていった。せいやさんも粗品さんも両方ボケるしツッコむし、アドリブでどんどん新しいくだりを生み出していく2人のトーク力が凄すぎて毎週毎週楽しく聴いていた。それに加え、霜降りの2人が1992年度生まれということもあり、トークの話題のみならずコーナーで選ぶネタも「ポケモン」や「スマブラ」など他のラジオに比べて若いなぁ〜と思う物が多かった。霜降りより3つ年下の僕は、2人が「懐かしい」と思う感覚がほぼ一緒で、面白さと同時にそんなネタが面白いものとして読まれるんだという感慨深さもあった。



すると、とある放送回の「野党」のコーナーで、どなたかが送ったでんぢゃらすじーさんにまつわるネタが読まれた。じーさん・孫・校長・ゲベといった登場人物の考察をする前文にツッコミを入れるもので、細かいフレーズは特に覚えてないけど、めちゃくちゃ面白かった。それと同時に、小学生の時に見た先ほどのいいともの件を思い出したのだった。コーナーの1ネタということもあり受けトークもサラッと終わって次のネタに行ったが、僕はようやくでんぢゃらすじーさん、もっと言えばゲベというキャラクターを理解してオモシロに昇華するメディアが出てきたか!と感動も覚えた。感動させるために送ったわけではないだろうから、こうやって書くのは当時のネタ投稿者に申し訳ないけど、でも昔のいいとものリベンジが果たされたと勝手すぎる思い込みが自分の心に感動を与えたのは間違いない事実である。



以上、僕が霜降り明星オールナイトニッポンに死ぬまでついていこうと思った瞬間についてでした。